儚空--クライソラ--【完】
また、朝が来た。

ベットから起きあがるが誰もいない。


聞こえるのは雨音だけ。



ずっと一人なんだ…。

病室の小窓から空を見る。
黒っぽい雨雲が見えた。

携帯で天気予報をみた。
お天気キャスターのお姉さんが丁寧に説明している


「 温暖前線が通過……少量の雨が…広い範囲に……午後からは…」


電波が悪いからか、うまく聞き取れないのでネットで天気予報を検索した。




なにやら、午後からは晴れるらしい。


……少し、気分が良くなった。



ガラガラガラ…

ドアの音と一緒に採血の看護師がやってくる。



私は採血し、点滴をする。

24時間の点滴は本当に苦痛。


吐き気がする。


昼、私は病院で出されたご飯をみつめる。

口に入れると、吐いてしまった。

「 ごめんね。せっかく作ってくれてるのにね。」と、看護師さんに謝ると

「 気にしないで。 」と笑ってくれた。


誰かの笑顔を見るとすごい楽になるんだ。



奈津子先生に話すと、ビタミン剤を処方してもらった。




それと、甘いジュースを飲む。



それだけで、もう十分だった。



だるかった。



もう何もかも面倒くさかった。




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