儚空--クライソラ--【完】
それでも、朝はやってきて、

同じ時間になる。


私の部屋にたくさんのお客様がやって来た。

なる、こゆ、鮫斑先生、みかちゃん、仁…呼んでいないのに信くんまで。


でも、私は薬の副作用の影響で
だるくて、イライラが半端なかった。




正直、なんで今やってきたんだろう…




ずっとそう思ってた。




「 夢姉…大丈夫か?
ちゃんとお見舞いの品を持ってきたぜ!」


そう言って信くんが出したのはミスドのドーナツ。


期間限定のドーナツから…
高いパイまで入っている。



「 わぁ〜美味しそう!」


「15個有るから、一人2つずつどうぞー! 」


私はチョコドーナツを手にする。


固体が食べられない私。

でも、皆が来てくれたんだから食べなきゃ。

私の好きなドーナツ。

大好きな…。


私はドーナツを1/4の大きさにすると、
思いっきり口に入れ込む。


そして、飲み込む。


………!



食べることができた!


噛んでないけど、美味そうに食べた演技をした。



その時だった。




「 げほ…げ…ほ…げほ 」


喉に詰まったのか、私は咳をしてしまう。


口に手を当てると少量の血があった。





産まれて初めて、血を吐いた。




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