儚空--クライソラ--【完】
「 大丈夫?夢…。」
なるは私の肩をさする。
良かった…血は見えてないのね。
でも、また「 げほげほ… 」と咳をすると、口から大量の血が出た。
隠すことはできなかった。
「 ゆめ!大丈夫か?」
仁は心配そうに私をみつめる。
「 大丈夫じゃねぇよ。これは! 」
鮫斑先生は私の手首を掴むと、
脈をはかる。
「 どうです?鮫斑先生!」
みかちゃんが鮫斑先生の顔色を伺う。
「 良かった…。心拍数は変わってない命に別状はないんじゃないか?
ドーナツが喉に詰まったようだな。
それにしても、ドーナツ噛んだか?」
私は首を横に振る。
なんでだろう。
目がぼやけて行く。
私はいつの間にか意識を失っていた