あおの空
「……って」
広ちゃんは全部わかってたんだ。
わかっててずっと黙ってたんだ。言ったら学校で泣いちゃう…そう思って。
それが広ちゃんの優しさだったんだね…。
「捺芽?」
「だって…笑ってなきゃ勝手に涙が出てくるんたもん」
言わないでおこうと思ってた言葉が勝手に出た。
「捺芽…?捺芽、辛かったよね?捺芽が一番辛いよね…」
あたしは首を振った。
「あたしが空青くんを死なせたの…」
「違う!!悪いのはあの居眠り運転してた人じゃない!!捺芽は悪くな…」
「でもっ!!」
広ちゃんの言葉を遮るように言った。
「あたしが横断歩道で止まったから…。そもそも一緒に帰らなかったら空青くんは……え…?」
広ちゃんは急にあたしを抱きしめた。