熟女に魅せられて
「大丈夫やで、ありがとう。」


そう言って祐樹は女の子の頭をやさしく撫でた。


すると「できたよぉ~。」と、芳美さんが湯気の立ち籠めたスープの皿をテーブルの上に置いた。


「わぁ、めっちゃいい匂い。」


「でしょ? 芳美さん特製のスープやからね。」


芳美さんが作ってくれたのはミネストローネ、
トマトのちょっと酸っぱい匂いが部屋中に広がった。


「食べていいですか?」


「どうぞどうぞ、冷めないうちに食べて。」


「いただきます!」


「どうぞぉ。」


俺はスプーンですくい、口に運んだ。


「美味しい・・・」


「ホント? よかったぁ。」


芳美さんは俺の感想を聞きホッとした様子で笑みを浮かべた。


「おかあさぁーん、私も飲む!」


「はいはい待ってね、すぐ入れてくるから。」


芳美さんは子供たちにも急かされスープを入れてくると、
「熱いから気をつけてね。」と言って、スプーンを渡した。


男の子はまだ一人では飲めないので、
芳美さんが「フーフー」して口へと運ぶ。


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