熟女に魅せられて
バイトを終え、休憩室の長椅子に座り剛彦を待つ。


昼に由岐にメールした返事が帰って来ていた。

『ごめん、今日も飲み会やねん。 なるべく早く帰るから』

今日も飲み会かぁ~・・・


剛彦と飯でも食って帰ろうかなぁ。


「祐樹!」


すると、仕事を終え剛彦が上がって来た。


「おお、お疲れ。じゃあ帰ろうか?」

「すまん、今日は芳美さんと帰るわ」

「えっ? 今日飯の日やったか?」

「いや、違うけど。ちょっとコーヒーでも飲みに行こうかってなって・・・」

「そうなん? わかった」

「すまんなぁ」


剛彦は申し訳なさそうに手を合わせ謝る。


「いや、ええよ。それより楽しんで来いよ。」

「うん。」

嬉しそうに笑う剛彦、そんな顔が出来る剛彦が羨ましくて、でもうれしくて。
まるで親の様な心境で、俺は剛彦の背中を見送った。


芳美と剛彦、その日は何度目のデートだったのだろう?
帰り道、二人は初めてキスを交わした。


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