熟女に魅せられて
「止められんかった、酔ってたし・・・
美枝さん、やさしくしてくれたし、甘えさせてくれたし、ずっと愚痴聞いてくれたし・・・
それやし・・・」


剛彦の言いたいことはわかった。


やさしくしてくれて、甘えさせてくれて、愚痴も聞いてくれる、剛彦は包容力のある彼女に頼ってしまったんだ。
彼女は剛彦の心を癒したんだ。


そして何よりあの美貌、あんな女性にやさしくされたら誰だって惹かれてしまう、勘違いしてしまう。流されてしまう。


酔っていた剛彦には、欲情を止められる理性はなかったのだろう。
男としてその感情はわからなくはない。

だからと言って、その行為に賛同することはできない。
だって、剛彦には芳美さんがいるから。


剛彦の名を呼んでうれしそうに笑みを浮かべた芳美さんを知ってるから。


俺にとって、芳美さんは大切な友達だから。
俺は剛彦の行動に賛同できない。


「何やってんねんおまえは!」


「・・・・・」


剛彦は俯いたまま。


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