熟女に魅せられて
剛彦は後悔しているようだ。


一回きりの過ち、そんなことよくあることだ。
俺にだって過去にはそうなりそうになったことある。
俺も現に由岐に浮気された。
みんな少なからず、こういうことはあるだろう。


けど、やっぱり賛同はできない。


俺はなんて自分勝手なことを思ってるんだろうと思いながらも、
やっぱり芳美さんのことが、あの笑顔が忘れられなかった。


剛彦、なんで思い止まらなかった!


頭を抱える剛彦を見て俺は。


「剛彦ええか? 絶対に芳美さんにはばれるな!
隠し通せよ!」


「祐樹・・・」


こんな奴でも俺の大切な友達だ。
幸せになってほしい。


それに、せっかく掴みそうな幸せを、芳美さんには失ってほしくない。

それに旦那の時のように、また裏切られたと傷ついてほしくない。


だから俺は絶対隠し続けることを剛彦に誓わせた。


二人には幸せになってほしいから。


どうか、このまま何事もなかったように時が過ぎますようにと願いながら。



< 146 / 291 >

この作品をシェア

pagetop