熟女に魅せられて
芳美さんは、前の旦那さんにも浮気が原因で離婚した。
それが、やっと恋愛をできる、信じられる相手が見つかったのに、
そう思っていたのに、また裏切られた・・・


きっと心の中はぐちゃぐちゃなんやろう。
これでもう二度と、誰も信じなくなるかもしれへん。


こんなにいい人やのに、こんなにやさしい人やのに、幸せにはなれない。


世の中は残酷なものだ。


俺なら浮気はしないのに、不安になんてさせへんのに。


俺と芳美さんみたいなカップルができることは少ない。
だいたいどちらかが傷つけて、どちらかが傷つく。どちらかが我慢している。そんなカップルや夫婦が多い。
どうしてなんやろ? どうして同じように、平等にはいかんのやろう?
お互いがお互いの気持ちを考える、
それだけで全然違うのに・・・


お互いがお互いの・・・? 
俺が芳美さんの?


俺は涙を流す芳美さんの顔を見た。


俺なら芳美さんのことをわかってあげられる、芳美さんを傷付けたりなんかせえへん。


「芳美さん・・・」


「んん!?」


芳美は涙目のまま祐樹を見上げた。


そして俺は・・・そんな芳美さんの唇にキスをした。


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