熟女に魅せられて
誰や? 


「人の旦那に手を出すって、どんな神経してんの!? ふざけんなっ!」


人の旦那? ってことは、木原の奥さん?


「この泥棒猫!」


女はそう叫ぶと、京子の顔をひっぱ叩いた。


あっ!? 京子さん!?


何発も、何発も叩く女。


「ああっ・・・」


俺はそれを見て、何もできなかった。


それよりもだ、それをそばで見ている木原が止めようともせず見ている。


あいつ、何やってるねん! 止めろよ!


これが京子への制裁。女性の気持ちはわかる。
けど木原も加害者、それに京子さんを好きで付き合ったんやろ?
少しは庇う姿勢を見せてもええんちゃうんか?


ただ見ていることが、妻への懺悔。


なら京子さんは、京子さんは一体誰に助けてもらえるんや・・・


祐樹は拳をぎゅっと握りしめた。

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