熟女に魅せられて
すると、剛彦が女の子の前に膝を付き、向き合った。


「いいよ、お兄ちゃんでよければ一緒に走るよ」


「本当!?」


「うん」


女の子の顔がパァッと明るくなる。


「ちょっと阪井くん!」


「お願いします、芳美さん」


剛彦はただ、女の子の願いを叶えてあげたい、そんな表情で芳美を見た。


「ううっ・・・」


本当にうれしそうに喜ぶ娘を前に、
「わかったわ・・・」っと、諦め頷いた。


「けど、別にこれで・・・」


「わかってます。これで許してもらおうとか思っていません。これは美央ちゃんとの約束ですから」


そう言って笑みを浮かべる剛彦。


そんな剛彦に、芳美は少し胸がキュンッとなった。


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