熟女に魅せられて
「お母さん、運動会はからあげ入れてね?」


「うん、わかった」


「やったぁー!」


母親の手作り弁当かぁ・・・
懐かしいなぁ・・・


「お兄ちゃんもいっしょに食べようね?」


女の子は剛彦を見上げ、そう言いながら腕を引っ張る。


「えっ!? 俺も?」


「うん。ねぇ、お母さん!」


「いいんですか・・・?」


恐る恐る、芳美の顔を覗き込む剛彦。


「仕方ないわねぇ・・・特別だよ?」


「はい!」


「よかったね、お兄ちゃん!」


「うん!」


芳美さんの手作り弁当が食べられる!

これもみんなこの女の子のおかげ! 
美央ちゃんのおかげ!


剛彦には美央が天使のように見えた。




剛彦が芳美との関係を、少し修復できそうな感じの時、また不穏な動きが出ていた。


「じゃあ、行くか」


「うん・・・」


京子が、関係を終わらせたはずの木原の車に乗り込んでいた。


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