熟女に魅せられて
「そんなん言ってる場合か? 
俺らもう二十歳やぞ? 
どんな仕事がええとか迷ってられる時期ちゃうねんぞ?
いくらでも就職があった時代ならともかく、
今は就職難なんや、こんな有難い話ないぞ?」


「わかってる」


「じゃあ・・・」


「もう少し、もう少しだけ考えさせてくれ」


祐樹の真剣な表情に、剛彦もそれ以上は何も言えず・・・


「まぁ、おまえの人生やからな、俺がとやかく言うことじゃないな」


「すまん・・・」


剛彦は俺のこと、ほんまに心配してくれてるんやな、ありがとう。


「それより、今日はおまえや、剛彦!
 芳美さんに信じてもらえるように、ちゃんとせなな」


「あ、ああ。わかってる」


だから今日は、俺がおまえを守るわ。
明日、ちゃんと運動会に行けるように。


芳美さん、剛彦にもう一度、チャンスをあげてください。


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