熟女に魅せられて
「それじゃ私は中に入るね、
早く戻らないと何か言われそうだし」


何か?


「待って、私も入るわ。その方がいいでしょ?」


陽子さんも今から参加? 
その方がいいって、どういうことや?


「中越くんはどうするの?」


「えっ!?」


「帰るから出て来たの?」


「いや、違います!」


「じゃあ、早く入ろ」


「はい」


俺はまた店の中に入り、扉を閉めた。


「陽子さん、何があったんですか?」


「えっ!?」


「剛彦は美枝さんと出て行ったはずなんです。
なのに剛彦だけが帰った。なんでですか?」


「う~ん、なんでかな?」


陽子さんは話をはぐらかして、
結局何も答えてはくれなかった。


ただ、『もう心配ないよ』とだけ言って、
宴会の席へと入って行った。


俺は、なんだか腑に落ちないまま、席へと戻った。



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