熟女に魅せられて
「場所取りはいいって、言ったでしょ・・・」


「ああ、すいません・・・ 
でも、じっとしてられなくて・・・」


「バカ」


芳美の瞳に、うっすらと涙が滲んでいる。


「どうしたんですか? どこか痛いんですか?」


「ちがうわよ!」


『痛い、胸がぎゅっと締め付けられるように痛い・・・
痛いはずなのに、なんだかあったかくもある』

芳美はそんな言葉に出来ないような思いを感じながら、剛彦の服を恥ずかしそうに掴んだ。


「おおっ!」


そんな二人に保護者の人たちは感動したのか、拍手が沸き起こる。


「えっ!? なに!?」


突然沸き上がる歓声に、まわりを見渡す剛彦。
それを見て、やっと自分がどういう状況にいるのかが呑み込めたのか、
恥ずかしそうに顔を隠す。




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