熟女に魅せられて
「けど陽子さん、バツイチとの恋は応援しないんじゃなかったんですか?」


「えっ!? ああ、うん・・・ 
けどなんか、必死な阪井くんを見ていたら気が変わったの。
なんか応援してあげたいなぁって」


「陽子さん・・・」


「だからもう一度だけ、チャンスをあげたいと思った。それで彼を試したの」


ここが陽子さんのやさしいところなんだ。
頑張ろうとしている人を、放ってはおけないんだ。


「でも飲み会になるなってわかってなかったですよね?
剛彦に社員の話が来て、それで飲み会に誘われたんですから。
この案は、急に思いついたんですか?」


すると、陽子さんは「フッ」っと、微笑んだ。


えっ!? なにこの笑みは? まさか・・・


「まさか陽子さんが剛彦を社員にするように、
上司に言ったんじゃないですよね?」


「まさか、私にそんな権限ないわよ」


陽子さんはそう言うけど、顔がニヤけてますよ?

俺、ものすごい人と、しゃべってるんじゃないだろうか?


この人も、まだまだ謎の多い人だ。


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