熟女に魅せられて
一日の仕事を終えて、休憩室でみんなと話していると、そそくさと帰り支度をして会社を出て行く京子を見つけた。


いつもなら会話の中心で話していた京子が今は近付こうともしない。


なんでや? 

いくら木原のことが忘れられないからって、みんなとまで距離を置くなんて・・・

なんでなんや? 京子さん・・・


「中越くん」


京子の背中を見つめながら心配そうにしている祐樹の肩を、芳美がポンッと叩いた。


「誰とも話したくない時もあるよ。今はそっとしておいてあげよう」


「はい・・・」


そうなんだろうか?

俺は寂しい時は、誰かと一緒にいたくなるのに、
京子さんは違うのか?


芳美さんの言葉に、俺はまだ知らない大人の世界を感じた。


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