熟女に魅せられて
「ほら、中越くん。子供を手なずけるチャンスよ」


「えっ!? 手なずける?」


「そう。母親を落とすなら、まずは子供からって言うでしょ?」


芳美さん、子供がいるあなたがそんなこと言っていいんですか?

まさか自分の体験談ですか?


「ほら早く、手を繋いであげて」


「えっ!?」


いきなり知らない俺が手を繋いでも大丈夫なんか?


それでも、どこか寂しそうにしている涼香ちゃんを見ていると、
なぜか自分から歩み寄っていた。


「涼香ちゃん、行こうか?」


俺は涼香ちゃんにそっと手を差し伸べる。
すると涼香ちゃんは「うん」と言って、
その小さな手で俺の手を握り返してきた。


うっ、なんやこの感じ。


小さな手が俺の手を弱々しい力で握り返している。
なんという愛らしさ。
こういうのが親の喜びなんだろうか?


俺は何とも言えない幸せな気持ちになった。


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