夕焼け模様
朝食を食べ終えた私達は久しぶりに丘に行こうとピクニックの準備をしていた。
仕事を辞めて数ヵ月、彼との毎日はとても充実していて、これ以上の幸せはないんじゃないかと思うぐらい幸せを感じていた。
「ふふ、…今日もかわいいね」
バスケットに彼の特製サンドウィッチを詰めると、優しく抱き寄せられる。私を抱き締める腕はがっしりとしていて、私は言い様のない充足感に浸っていた。
「好きだよ…」
その柔らかな響きに魅せられるように、唇と唇を重ねる。すると口の中に甘いものが広がった。
「……飴…?」
彼が好んで食べている飴は甘く、また少しの酸味が舌を刺激した。