夕焼け模様
あの日も、今日と同じように晴天が広がっていた。
「おにいちゃん、遊ぼ?」
いつものように私は近所に住んでいた彼のもとへと遊びに行った。私の呼び掛けに彼は答えると、薄手のパーカーに短パンといった軽装で出てくる。
「いいよ、何処まで行こうか?」
彼は手を握ると、転ばないように私の歩幅に合わせて歩いてくれる。
私達がいつも行く場処は決まっていたけれど、こうして行きたい場処を聞いてくれる彼が私は大好きで、子どもながらに恋心を抱いていた。
「…あそこに、行きたいな…」
囁き声で言うと、彼は笑顔で
「じゃあ行こうか?」
太陽のような笑顔に、私は笑顔で頷いた。