北十字学園探偵部
「やめなよ!増田は何もしてない!」
私は三人の前に歩み寄った。

「誰だ?」
敬がいった。

「そいつの友達です」
「おとなしく見てろ」
一斗がいう。

「そいつを連れてって尋問したところで何も分かりはしない!」

「そうかい?不謹慎な行動で処罰することもできる」
「そんなの一方的じゃないですか!」

「俺たちが規律だ」

夜にいれたコーヒーを朝に飲んだような、冷たい声で一斗はいった。

「放せ! 放せよ!」

増田はとうとう連れていかれた。
そして、五時間目の途中に帰ってきた。

うつろな目で。
< 101 / 266 >

この作品をシェア

pagetop