北十字学園探偵部
部長に連れられて視聴覚室に入った。
中は薄暗い。

何人かの話し声が聞こえた。

「誰だ?」
暗がりから声がした。

「竺丸だ」

「じ、竺丸! 何の用だ?」

「南雲ちゃん、電気をつけてくれ」

私は壁のスイッチを押した。

情報屋宮下と子分が光の中に現れた。

「宮下、何か情報はつかめたか?」
「いや、つかめてねえ」

「本当か?」
「ああ」

「俺は二人組の男を追ってる。何か心当たりはないか?」

「いや。知らねえな」

「見たか南雲ちゃん。あいつの目が泳いだ」
優介がそっと耳打ちした。

< 127 / 266 >

この作品をシェア

pagetop