北十字学園探偵部
部長の迫力はすごかった。
この人にはオンとオフがある。

アクション型の探偵。
私はそれが少し分かったような気がした。

私たちは視聴覚室を出た。

「収穫はありませんでしたね」
「ああ、だがあいつは何かをつかんでる」
「みたいですね」

「南雲ちゃん。もしかしたら事件はもっと複雑なのかもしれない」

「どうしてです?」
「宮下があれだけおびえてるんだ。何かがある」

「私にはまだ分からないなあ」
「俺もだ。情報がなさすぎる」

優介はたちどまった。

「俺はもう少し調べたいことがある。部室に帰っててくれ」

私たちは別れた。
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