北十字学園探偵部
次の日は土曜日だった。
私と部長、副部長は学園の前で待ち合わせをした。

私は猫探しのビラを徹夜で作った。
のぞみの指示だった。

「南雲、最初の仕事にしてはもってこいだ。猫探しは探偵のいろはの〝い〟だ。
ビラを作ってこい。一日探して見つからなかっならそれを使う」

「待たせたな」
のぞみがやってきた。デニムパンツにネルシャツ、あまり女子らしさはなかった。

ブルルン!

と白いベスパ(イタリア製のスクーター)に乗った部長が遅れてやってきた。

黒いスーツに黒いハット、まん丸のサングラス。
ちょっと待ってくれ。なんなんだこの人のかっこうは。
これも後に分かったのだが、松田優作のコスプレであった。
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