北十字学園探偵部
「俺も昔、恋人と呼べるやつがいてな、その思い出みたいはものだこれは。ある日、二人で歩いていると、車が突っ込んできたんだ。相手は飲酒だったらしい。
その時、彼氏が俺をかばってくれた。
その時の傷だ」



「その恋人とはどうなったんです?」
「左腕に大きな傷をつくった」

「今はその人どこに行ったんです?」


「遠くに行ってしまったさ」
のぞみはいつか見せたような、さみしそうな目をした。

この人は女の子だ。

私はもうそれ以上は聞かなかった。


「そろそろ上がるか」
「はい、なんだかのぼせたみたいです」
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