北十字学園探偵部
ザク、ザク、と砂浜を蹴って雪見に近づいた。

「おはよう。まだ時間早いのにどうしたの?」
さすがスポーツマンらしく、すぐに上がった息がもとにもどった。

「目が覚めちゃってね。君こそどうして一人で練習してるの?」


「ああ、俺は毎朝五時から練習してて体がそれに慣れちゃったんだ」
雪見は汗をぬぐった。

「真面目なんだね」
ちょっとだけ私は警戒を弱めた。

「いや、そんなことないよ。俺はテニスの才能がないから、人の倍も二倍も練習しなきゃって思ってるんだ」


こいつ悪いやつじゃなさそう。
自然だんだん会話はスムーズになっていった。
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