北十字学園探偵部
夏休みの思い出が遠ざかったころ、ブラッククラウンは一気に行動に出始めた。

まず彼らがやったことは、仲間集めだった。

反バックヤードユニオンに同意する生徒はかなりの数がいたと思う。
ただ、だいたいは泣き寝入りをしていたのだ。


一方、バックヤードユニオンはやり口が残忍になっていった。
校則を守らない、髪が長い生徒をバリカンで丸刈りにし、翌日の朝礼で前に立たせた。ほんの少しだけ長いだけでも容赦無くバリカンの餌食にしていった。


誰かがやらなければならないが、自分にはできないこと。
つまり、真っ向からバックヤードユニオンに反旗をひるがえし、リーダーシップを発揮できる人間を生徒の多くは待っていたのだ。


ローマからの解放を望むユダヤ人のように、彼らはメシアを待っていた。


そこに音笛未来という、神を見出し、ブラッククラウンを賛美していった。
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