北十字学園探偵部
私と優介は部室を出て、バックヤードユニオンの本拠地のロッカーの前に立った。

思ったより警備は薄く、入口には敬と潤が立っているだけだった。

「ここに何の用だ」
敬が私たちをにらみつけた。

「ま、いっても無駄だろうが藤田と土屋に会いたい。中に入れろ。二人はいるのか?」
優介はふたりをにらみつけた。

「そんなこといえるわけがないだろ」
潤が口を開く。

「どけ」
優介がいう。

こういう時の優介は普段じゃ絶対に見れない凄みがある。

「入れてやれ」

ロッカーの中から声が聞こえた。

潤と敬はお互いの顔を見た。

「通れ」
潤がいった。
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