北十字学園探偵部
「私も辛かったんだ。増田のことは諦めて、茜を応援する。その気持ちに嘘はなかったんだよ」

「そう。もう一人にして」

私は茜から離れ教室に戻った。
それから増田に目をやった。

増田は変わらずおどけていた。
すごく近くにいるのに、何光年も離れている気がした。

私はこれ以上何かをしても無駄だと思った。雪見がいったように、氷が溶けるのを待つしかなさそうだった。
< 243 / 266 >

この作品をシェア

pagetop