北十字学園探偵部
「そうですか。今後我々はどうすれば?」
総太は松夫を見つめた。

「そろそろ手を引いてもいいかも知れないな。目的は十分に果たした。教頭もここまでやれば満足だろう」

「そうですね。たっぷり見返りももらいましたしね」

「ああ、全成績をプラスさせてもらったし、テスト問題の横流しも受けた。いい関係が作れたと俺は思うね」

「しかし、あなたは悪人だ」

「悪には悪の道がある。教頭は総会で学園長を追放するだろう」

「ブラッククラウンはどうします?」

「音笛も俺たちの仲間だと周囲に知れたらやっかいなことになるだろうな」

「あいつを選んだのは間違いか?」
雄大がいう。

「いや、間違いではない。あいつは無条件に卒業が約束される。たとえ全テストで0点をとってもな」

「しかし、教頭が一番の悪人だ。我々バックヤードユニオンを使い学校を荒らし、音笛を抱き込み反対勢力をつくる。学校がこれだけ荒れれば、当然誰かが責任をとらなければならない。学園長を追い出し、自分が後釜につく。なかなかの策士ですよ」
総太はニヤリと笑った。
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