北十字学園探偵部
翌日、私は増田をずっと意識していた。

どうする?

何て声をかけたらいい?

どうしよう。

向こうから声をかけてくれないかな。


と、思ったはみたものの、増田はいつも通り、私を見向きもしない。

結局何もできなかった。


放課後私は部室に行った。

のぞみがソファーに座っていた。

「あ、先輩」

「よう」

「どうした?うかない顔だな」

「聞いてくださいよー」

私はのぞみにすりよった。

「わっ、なんだいきなり」

「私どうしたらいいんですか?」

「待て、まず訳を話せ」

私は今自分が増田にどう近づけばいいか、茜を置いて自分だけ幸せになろうとしていいのかを話した。

のぞみは黙って聞いていた。
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