北十字学園探偵部
「これを渡しておこう」
優介がポケットからカギを出し、私に渡した。
私の持ってるカギのマスターキーだ。

「困ったことがあれば、いつでも俺に頼ってこいよ」

「はい先輩。今だからいいますけど、二人は私の出会った中で、一番変な人でしたよ」

「そうか?」

「でも最高でした。あの日間違えて探偵部に入部して良かった」

「そういえばそうだったな」

私たちはみんなで笑った。

こうやって三人でこの部屋で話せるのも今日で終わりだ。
そう思うと、涙が溢れてきた。後から後から流れてくる。

「泣くな南雲」
のぞみが私の背中をさすった。

私はのぞみの胸に顔をうずめた。

「だって、先輩たちがいなくなると思うとさみしい」

「俺、いや、私もだ」

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