北十字学園探偵部
この事件は新聞にも小さくだが取り上げられた。

事件があった日、学校は休校になった。
私はちょっと嬉しかったが、そうもいっていられなかった。

昼過ぎにのぞみから電話があり、学校に呼び出された。
学校はもぬけの殻で、誰もいなかった。
校庭には燃え残った本の残骸がまだあり、なまなましかった。

誰もいない学校を歩くのはちょっと不気味だった。
ローファーの音が響くと、ますます静寂がひろがり、一瞬知らない惑星に来たような気がした。

私は部室に入った。
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