北十字学園探偵部
今私は人生最大の危機に陥っている。
鼓動がずきずきと打つ。ハンマーで叩かれているようだ。
私は四面楚歌。
袋のねずみ。

三人は私を取り囲んだ。
逃げられるか?
きっと無理だ。ヤバいどうしよう。


「お前何でこんなとこにいんの?」
未来はいった。ステンレスみたいな声だった。三白眼の目が異様なほどの冷たさを放っている。小柄だけど、ずっと大きく見える。タバコのにおいがした。

私は何もいえなかった。


「来い」
真佐人が私の肩をつかんだ。

「やめて!」
私はやっと声が出た。

「うるせえ」
真佐人は静かにいった。

どこに連れてく気?!
私は真佐人を放そうとしたが、男と女だ話にならない。
柔道でもやってればよかった。
一瞬そんなことが脳裏を走った。
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