北十字学園探偵部
俺は手を放し、その場を去りました。


これでも探偵の端くれなので、さっそく宮下の尾行を始めました。
手下がいると邪魔くさい。宮下が一人になるのを待ちました。

あいつが便所に入ったのを見計らい、俺も入り、個室に入ろうとしてた宮下をつかまえました。


「おい、知りたいことがあるっていってんだよ」
「へっ、誰がお前なんかに教えるかよ」
宮下は歯から空気をもらしたような声でいいました。背中の曲がったせこい野郎です。

「聞け小悪党。お前の汚ねえ面をぶっつぶしてやろうか?」
俺は宮下の首元をつかみ持ち上げました。

「情報をくれるか?」

ペッ!
宮下は俺の顔にツバをかけました。
俺は手に力を込めました。
やつは苦しそうにもがきました。
「情報を教えろ」

「わかった、わかった……。ぐるじぃ」
手を放すと宮下はたこのようにグニャリとつぶれました。


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