北十字学園探偵部
宮下はふらふらと立ち上がりました。

「で?何が知りたいんだ?」
「ここのとこ続いてる事件についてだ。何かは知ってるだろ?」
「知らねえな」
宮下はそう吐き出しました。

俺はもう一度宮下の胸ぐらをつかみました。
「おい、ふざけるなよ」
「分かった、分かったいうよ。俺が知ってるのは、この前のワックス事件についてだ。事件の前の日に俺は放課後に聞いたんだ」
「何をだ?」

「一階の便所に入ってたら、窓の外から声が聞こえたんだ。多分二、三人だと思う。よくは聞こえなかったが、これだけは聞こえた。『今回もあの二人にやってもらおう』そう聞こえた。
それで俺は恐る恐る窓から覗いたんだが、もう誰もいなかった」
< 89 / 266 >

この作品をシェア

pagetop