まんまと罠に、ハマりまして
「いえ、全然です!逆にすいません!」


何だか余計に、申し訳なくなってしまった。
課長が謝る事なんて、ひとつもないのに。


「いや…。ってか、ほんとに大丈夫か?」
「はい。ほんとに大丈夫です。すいません…」
「良かった…」


だけど。
本気で心配してくれてる課長が、すごく嬉しくもあって。


「…ありがとうございます」
「ん?」
「心配してくれて…」
「当たり前だろ?」


そう言って微笑んだ、課長の顔を見た時。


「あんな無茶、もうやめてくれよ?」


─抱きしめてほしい


「は、い……」


思った。

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