まんまと罠に、ハマりまして
だけど。


「あぁ。俺が持つ」


部屋を出る時、荷物は全部、課長が持ってくれて。
立ち上がった時も、


「フラフラしないか?」


気遣ってくれて。


「ありがとうございます」


大丈夫です、と、ペコリ、頭を下げると。


「当たり前の事しかしてないよ」


私の頭をポンと撫でて。
顔を上げた私に、優しく微笑んだ。


「あ…。悪い。つい…」


私に触れた事に、また謝って。

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