まんまと罠に、ハマりまして
その言葉を、どうして私は聞き逃してしまったのか。


「光。水に反射してキレイだな」
「ほんとですね」


小さく口にした、その言葉を…。


「でも。ちょっと眩しいかな」
「目。チカチカしちゃいます?」


多分この時に。
課長は気持ちを、決めてしまったように思う。


「おじさんには、眩しすぎるかな」
「え!?や、おじさんって、誰がですか?」
「俺。渡来から見たら、もうおじさんだろ?」
「まさか!全然ですよ!上條さんを見て、おじさんなんて思う人、誰もいません!」
「や、ならいいけど。ってか。渡来、ムキになりすぎ」




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