まんまと罠に、ハマりまして
「よし。決めた!」
「おっ」
「あそこがいい。昔、みんなで行ってた」
「おー。いいな。よし、行くか」
「うん」


圭くんに余計な気遣いをさせたくなくて、私はなるべく、いつもの感じで圭くんに接していた。

圭くんが、あの頃と変わらなかったのもあったけど。


─そうだ。いつもこんな感じで笑ってたな


思い出したりもして。
そう。
出会った頃から、圭くんはいつも、こんな感じだった。


「ってか。ほんと久しぶりだな」
「そうだね」


大学のサークルで、2コ上の先輩。
あの頃は、圭くんが随分大人に見えた。


「飲み物。いつものでい?」
「あ、うん」


頼りになるけど、こんなふうに気さくで。
みんなに好かれるタイプ。
気がつくと、私は圭くんばかりを目で追っていた。

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