まんまと罠に、ハマりまして
そうだ。
だいたい、圭くんとの食事を薦めといて。
気にならないんだろうか?
まぁ、仮に気になってたとしても。
ガン無視してるのは私だから、さすがの課長も連絡しづらいのかもしれないけど…。

でも。

元はそこ!
勘のいい課長の事。
圭くんがただの先輩じゃないって。
多分、気づいてるはず。
元カレだろうって。
なのに、定時であがらせるとか。
やっぱり、


─なくない!?


そう考えると。
何だろう。
モヤモヤじゃなく、ムカムカしてきて。
もうこの際、課長とのお試し期間なんて、


─終わりにする!?


思った時だった。


「…!」


真向かいからの、私をみつめる視線に気づいて。
…ゆきのさんの視線。

いつからこんなに見られていたのか…。

ゆきのさんと、視線が重なって。
途端にまた、


「っ…」


カラダが強ばる。

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