まんまと罠に、ハマりまして
「…おはよう、ございます」
「おはよう」


結局。
ぐるぐると色んな事を考えてるうちに、眠れないまま朝が来て。


「おはよう、渡来さん」
「あ、おはようございます…」
「…ん?何か、あんまり顔色よくないわね?」
「え?」
「大丈夫?」
「はい。全然」
「そ?気分悪くなったら言って?」
「ありがとうございます。小杉さん」


やっぱり、いつも通りの課長。


「ちょっと。御手洗い行ってきます」
「ん」


鏡に映る私は、小杉さんが言った通り。
いつもより少し顔色が悪くて。
今日はおとなしく、会議室にでもこもって。
資料整理をひたすらやってよう、思った。

課長はこんな顔の私を見ても、何も思わないんだろうけど…。


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