まんまと罠に、ハマりまして
「私、資料整理でちょっとこもりますね」
「そうね。あまり今日は動かない方がいいかもしれないわね」


小杉さんにもそう言ってもらい。
一人、会議室にこもる。


─ふぅ~…


課長の気配がないだけで。
少しだけ、気持ちが落ち着く。

ほんとは、こんなふうにホッとしてる場合じゃないんだけど…。
ゆきのさんからの伝言も、預かったままだし。
伝える為にも、まずは私がちゃんと、課長に向き合わなきゃいけない。

でも。

職場での課長を見ていると、どうしても向き合える気がしなくて。
もしかしたら、


─全部がただの夢だったとか…


思えてくる程に。
ほんとに職場(ココ)では、上司でしかない。
完璧な、上司…。



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