まんまと罠に、ハマりまして
「!」


ヒィッ!と。
思わず声が出そうになった。
でも。


「…大丈夫か?」


ほんとに驚きすぎると、人は声が出ないらしい。


「…渡来?」


だって、もう誰もいないと思ってたオフィス。
なのに、そこにいたのは。


「……課長…?」


だったから。


「まだ、顔色悪いな…」


何なんだろう。
どうしてなんだろう。
この人は、気配を消すことも得意なんだろうか?
そしてやっぱり。
人を、私を。
驚かす事が、得意としか思えない。

顔色って…。


「……………………」


朝は全く、気にする素振りも見せなかったのに…。
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