まんまと罠に、ハマりまして
なんで、どうして。
休憩時間だとしても、就業時間中。
課長はここに、


「どうして、いるんですか…?」


ずっと避けてて、きっかけが掴めなかったのに。
思わず、口をついて出てしまって。


「…えっ?」
「ずっと、知らんぷりしてたくせに。今日だって。いつもと同じだったくせに。私の事なんて知らないって顔で。なのに…。なのに何で、急にいるんですか?」


それも。
ちょっと大きめの声で。
そんな私に。


「っ…」


課長はちょっと驚いた表情で、一瞬、言葉を詰まらせて。


「…悪かった。メール、見てなかったんだな…」


呟くように言った。

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