まんまと罠に、ハマりまして
どうしてこんなに苦しいんだろう。
辛いと感じるんだろう。


「渡来!」


課長が何度も私を呼んでいたけど、振り返ることなんて出来なくて。
課長も入ってこられないだろう、ロッカールームに逃げ込んだ。
自分の用件だけを、課長に投げつけて…。


「伝言、伝えられて良かったよ…」


そう、言い聞かせるように呟いて…。

とりあえず、この休憩時間さえやり過ごせば。
課長は何も言ってこない。
それが今の私にとって、良いのか、悪いのか。


「…………………」


わからなかったけど…。

多分。
良いこと、なんだろう。
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