まんまと罠に、ハマりまして

「…どうした？」
「え？」
「何か、思い詰めてる？」
「！」
「俺が聞ける事なら、相談のるけど？」
「えっと、そ、かな？」
「翼はすぐ顔に出るからな。それに、俺に隠そうとしてもムダ」


あぁ、そうだ。
この感じ。
久しぶりでドキッとしてしまったけど。
圭くんはいつも、気づいてくれる人だった。


「そうだったよね」
「おっ。それはいま思い出したって顔だな」
「そう、かな？」
「まぁ、2年も離れてたら仕方ないか」


いつも。
そう。
まだ、付き合う前から気づいてくれる人で。


「いつも、そうだったよね。まだ付き合ってなかった時から」


あの頃を思い出して、ふっと頬がゆるむ。