まんまと罠に、ハマりまして
それは意外な返答で。


「違う…かな?」


圭くんが、頷きながらフッと微笑む。


「成長してるよ。俺に頼らず、自分で解決しようとしてるだろ?」
「あ…」
「俺としてはちょっと寂しいけど。昔なら、違ってただろ?」


でも。


「そうかも…」


言われてみれば、昔の私は圭くんに頼りきりだった。
圭くんの優しさに、甘えていた。


「私も、変われてるのかな…?」
「俺にはそう見えるよ。それに。先を行ってるのは、翼だったし」
「え?」
「俺はやっと。追いついたって感じかな」
「私が?嘘だよ。だって、私はいつも圭くんに甘えてて…」
「ん。でも。先に夢を叶えたのは翼だったから」
「夢?」
「この前も言ったけど。仕事。今の俺は、翼のおかげだって思ってる」
「圭くん…」

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