まんまと罠に、ハマりまして

「だから、俺としては。もう、あまり変わってほしくはないかな」
「私に…？」
「ん…。やっと追いついて、もう離されたくはないから。出来ればまた、昔みたいに。俺が少し前を歩いて、翼を守っていきたいなって」
「圭、くん…」
「まぁ、これは俺の自己満なんだけだど…。でも。本気でそう思ってる。この先ずっと。俺が守っていきたいって。翼の、脇役では、いたくないって」
「っ…」


圭くんの真っ直ぐな目に。
胸がざわつく。


「多分いま伝えるのは翼の負担になるだろうし、時期尚早だっていうのは分かってる。でも、それでも。今日はちゃんと伝えておきたくて。俺の気持ちを。翼との将来を見据えての、思いだって事を」
「！」