まんまと罠に、ハマりまして
将来。

その言葉で。
さすがの私でも、圭くんがいま、伝えようとしてる事が分かる。


「翼」


この前とはまた違う。
圭くんの真っ直ぐな視線。


「は、い…」


多分。
圭くんは、私以上に緊張してる。
鈍い私でも分かるくらい。
その表情から、それが伝わってくる。


「俺はもう、翼を離すつもりはないから。この先、一生」


一生。


「だから。それを踏まえた上で、考えてほしい。俺の事。俺との事。ゆっくりでいいから。真剣に」


その言葉に。
頭がくらくらする。


「本気で…」


目眩すらも…。


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